気づきのある人は、幸せである

カンポン・トーンブンヌム

「私は障害を持っていて苦しい」「私はきれいじゃないから苦しい」「私は太っていて苦しい」「私はもう年をとってしまった」。そんなふうに思って、自分を苦しめています。そのような思考が起こらなければ、苦しむことはありません。

「今、ここ」に自分を取り戻すこと。過去や未来にしがみつかないこと。しがみついていては、いつまでたっても幸せになりません。しがみついていることは、ただ思考でしかないのです。

この思考に、ただ気づきを間に合わせていく。そうすると、思考が観えてきます。そして「それはずっとあるものではない」というふうに見えてきます。自分で問題を解決することができます。

障害というのは、身体にあるのだな。心まで一緒に、苦しむ必要はないんだな。と、気づくことができます。私の人生が変わったのは、この「気づき」があったからです。

ブッダもおっしゃっていました。「気づきのある人は、幸せである」と。これは本当に人生を豊かに生きる智慧です。

苦しみがなくなっていけば、自ずと幸せが起こってきます。雨上がりの空のように、雨がやめば、自然に青空が出てきます。

(カンポン・トーンブンヌム「いのちの最後の授業」p145)