馴染になった心の反応から脱却していく

箕輪顕量

私たちの心には、幼少期からの体験によって馴染になった反応が身についてしまっています。何かを認識すれば、心の反応が次から次へと起きることが常です。

実際に、いま私たちが心の刺激を受けたときに、それを受け止めていることに気づく練習、すなわち観の練習をすることによって、そのような、馴染になった反応から脱却していくことが可能になります。

これが最初のところで説明をした「私たちの悩み、苦しみを終わらせる」ことに繋がっていきます。

私たちの身体が受け止めているものを、そのまま気づく観察法を実践することによって、馴染になった心の反応から脱却していくことができます。

これが実は観(vipassana)と呼ばれる心の観察法のもっとも大切な部分であると言えます。それは確かに、悩み苦しみから脱却することを可能にしています。

(箕輪顕量「実践!仏教瞑想ガイドブック」p24)