ブッダは法楽(欲望の満足による欲楽ではなく、法=真実が身心に浸透するときの悦び)に浸りながら坐り続けたといいます。
樹下に打坐するブッダの顔には微笑みが浮かんでいたはずです。狂おしく求めていたときには得られず、かえって現在のありのままを受け入れ、そのままにしているときに訪れるくつろぎが、そこにはありました。
何かを求めているときには必ず緊張が生まれます。リラックスできるのは、起きていることをそのままにしておけるときだけです。そのとき、世界はまったく異なった様相をもって立ち上がってきます。
(藤田一照「ブッダが教える愉快な生き方」第3章)