藤田一照

藤田一照

頭の中に作った物語を繰り返し生きることになってしまいます

一般的に能力といえば、何かを成し遂げるための能動的能力、いわば「ポジティブ・ケイパビリティ」ばかりが評価されます。そういう風潮の中では、「問題」を少しでも早く解決しようと焦ってドゥーイング・モードを起動させることが当たり前になってしまいます...
藤田一照

何かを求めているときには必ず緊張が生まれます

ブッダは法楽(欲望の満足による欲楽ではなく、法=真実が身心に浸透するときの悦び)に浸りながら坐り続けたといいます。樹下に打坐するブッダの顔には微笑みが浮かんでいたはずです。狂おしく求めていたときには得られず、かえって現在のありのままを受け入...
藤田一照

自然のままにしていたら、結局「そうじゃない」ということを言い続けている

自我意識というのは「ありのままなんて、私は許せない」というメンタリティですから、ありのままに対して必ず注文や文句、不平不満をぶつけて、それに介入し、干渉して、いじり、変えようとします。そうしないではいられないものが自我意識には付きまとってい...
藤田一照

現在に何も足そうともせず引こうともしないこと

結果を得ようとする瞑想や苦行から、ありのままを受け入れる樹下の打坐へのシフトを、今ここの自分の身心で行うのが坐禅です。道元はそのことを「坐禅は習禅には非(あら)ず。唯(ただ)是(こ)れ安楽の法門なり」(『道元禅師語録』大久保道舟訳註 岩波文...
藤田一照

この宇宙でたった一回きり

いま自分の内外で実際に起きていることは、この宇宙でたった一回きりの未知の出来事です。すべての感覚機能を開放して、その無限の豊かさと出会い続けていくのが坐禅修行の内実なのです。(藤田一照「ブッダが教える愉快な生き方」第3章)