あるがままに気づく訓練を続けていくと、たとえ気に入らない不快な環境や人々の中にあっても、心はたいへん静かな状態で、あたかも気に入ったものばかりの中にいるのと同じ状態で生きられるようになっていきます。
どんな環境でも満足できるようになるという、これはヴィパッサナー瞑想の大きな成果でありメリットです。
心の成長の面から言うと、これは画期的なことです。
私たちは、普通の生活をしていれば好悪や快・不快に反応して、そこから発生してくる貪瞋痴(とんじんち)で苦しんでいるわけですが、そういう好き嫌いや快・不快に左右されなくなるのです。
煩悩がなくなるというのは、そういうことなのです。
(地橋秀雄「実践 ブッダの瞑想法」p100)