瞑想熟練者の脳で活動が低下している領域

ジャドソン・ブルワー

私たちはデータを分析しながら、瞑想の熟練者の脳には何かしらの活動の増加が見られるものと予想していた。

彼らは瞑想中、結局のところ何かをしているからだ。瞑想は休憩ではない。それとは掛け離れたものだ—–私たちはそう考えていた。

ところが、彼らの脳全体を見てみると、初心者以上に活動している領域は1つも見当たらなかった。私たちは頭をかきむしり、もう一度見直してみたが、やはり何も見つからなかった。

そこで私たちは反対に、熟練者の脳で初心者よりも活動が低下しているしている領域はないかと探してみた。これが大当たりだった。

4つの領域で活動低下が見られたが、そのうち2つはDMN(※引用者注)の中核である内側前頭前皮質と後帯状皮質だった。この2つの領域には多くの周辺領域がつながっている。

(ジャドソン・ブルワー「あなたの脳は変えられる」p187)

※引用者注:
DMN(デフォルト・モード・ネットワーク)とは、何も活動していないとき(注意散漫なとき・心がさまよっているとき)に活性化する脳の領域のこと。
DMNには、主に、自己と外界を関連付ける機能がある。たとえば、「(私は)◯◯がほしい」「明日、(私は)◯◯をしよう」といった自己に関わる思考をもたらす。
DMNが過剰に活性化すると、うつ病や精神疾患を発症することが指摘されている。
ブルワー氏の研究により、瞑想に熟練した人たちはDMNの活動を意図的に低下させられることが証明された。