私たちの心は三つの毒に侵されがちです。最初は渇望、次に憎しみや暴力、そして最後に妄想です。
心を清めるとは、自分の中にあるこれらの毒を中和し、解消してやることなのです。三つの知恵。気づき、専念、悟りのエネルギーによって、毒を中和してやるのです。
混乱、怒り、渇望に満ちている心は清くありません。良いことをしようと思ってもできませんし、悪いことをやめようと思ってもできないのです。
自分の心を鎮め、清める方法がわかって初めて、幸せをもたらすこと、苦しみを与えないことが、容易に美しくできるようになるのです。
この心を鎮め清める技が仏教の最大の特徴です。心が鎮められ変えられたとき、幸せは可能になるのです。
(ティク・ナット・ハン「禅的生活のこころ」p118)